新潟市が2008年サミット開催に立候補。新潟への影響を予想

新潟市が2008年に行われるサミットの開催地に立候補しました。新潟市では、サミット開催を2007年4月に予定されている政令市移行の目玉にしたと考えているようです。今回の立候補は、横浜市との共催で提案されており、実現すれば、首脳会議は横浜市、閣僚(蔵相・外相)会議を新潟市で実現するプランのようです。サミット概要や、立候補の背景は、関連サイトをご覧いただくとして、実際に新潟市でサミットが開催された場合、私たちの生活にどのような影響があるのでしょうか?2000年に行われた「沖縄・九州サミット」の情報を元に、予想してみました。

沖縄・九州サミットも、今回のプランと同じく、分散開催でした。首脳会議は沖縄県・名護市、外相会議は宮崎市、蔵相会議は福岡市で行われています。当時、日本の首相は森さん、アメリカ大統領はクリントンさん。小室哲哉さんがテーマソングを作って、安室ちゃんが歌うなど、派手な演出が印象的でした。
首脳会談自体は3日間で終わりますが、名護市では開催前から期間終了まで、さまざまなイベントが行われました。たとえば、国際的な音楽祭、学生サミット、映画祭、写真展、絵画展、シンポジウムなど、公式・非公式を含めると、もうさまざまなです。ただし、これはあくまで、首脳会議が行われた名護市のケースであり、閣僚会議の行われた宮崎市や福岡市では、少し事情が違ったようです。

新潟市の状況を予想するうえで参考になるのが、西日本新聞社のWebサイトに掲載されている「九州沖縄サミット記者座談会」です。これによると、サミット開催は、経済的効果は少ないが、文化的、教育的効果は高いのではないかということがわかります。

実際、閣僚会議が行われるのは、最大でも3日程度です。全員での会議のほか、個別の会談も多数行われるので、閣僚のみなさんが、あまりいろいろな行事に参加する時間はないはずです。また、開催期間中に関連イベントを行い、市民、観光客が参加するのも現実的には難しいようです。なぜなら、開催期間中、新潟市内の警備は相当に強化され、市民が自由に移動することはできないことが予想されます。2000年の福岡市では、5000人の警察官が警備にあたり、市内に70ヵ所以上の検問が設置され、「正月のように道路がすいていた」という感想も出ていたようです。こういった厳しい規制が行われることで、タクシー、飲食店などの売上は、むしろ通常より減少したという調査結果もあるようです。そういった意味では、短期的に見た経済的効果は少ないのかもしれません。

一方、文化的・教育的効果は、それなりに得られたようです。たとえば、事前に行われたシンポジウムに多くの市民が参加したり、学校や地域単位で国際交流活動が行われました。そういえば、新潟でも2002年ワールドカップの開催をきっかけに、国際交流への関心が高まりましたよね。

私たち自身が直接サミットに関わる機会がどれくらいあるかわかりませんが、国際理解や国際交流を深める一つのきっかけと考えれば、サミットをより身近に感じられるかもしれません。ぜひ、新潟市でのサミット誘致を成功させてもらいと思います。
(編集部 松田)

■関連サイト
サミットに関する基礎的なQ&A(外務省)
2008年サミット(主要国首脳会議)の誘致について(新潟市)

2008年サミット誘致(横浜市)
2000年サミット 沖縄の記録

九州・沖縄サミット(外務省)
九州・沖縄サミット記者座談会(西日本新聞)

■ニュース
新潟市、サミット誘致を表明(新潟日報)
新潟市が誘致に名乗り 08年サミット、横浜と共催(西日本新聞)


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