お気に入りラーメン

編集・早見です。
Komachi のラーメン特集制作風景を見ていたら、ラーメンの事を書きたくなりました。
年齢を重ねるにつれ、あっさり志向がどんどん強まっている私のお気に入りラーメンは、新潟市上大川前通の「蓬来軒」のラーメンです。細麺&しょうゆスープの極めてオーソドックスなラーメンですが、シンプルな味わい、さりげなさがキラリと光る逸品です。
味だけでなく客スジや、町の雰囲気もまたいいんです。店の裏手は「こんぴら通り」という、明治から昭和にかけて隆盛を誇ったかつての繁華街。海上安全祈願で奉納された、北前船の模型で知られる金刀比羅神社もあります。
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新潟市の、いわゆる「シモ」(下町)に立地し、お客さんは昔ながらの方々が中心。かつて市内を堀が巡っていた昭和の中頃、西堀近くで屋台の店としてスタートした、古くからの常連さんが多い店なのです。両親が「シモ」の生まれの私としては、そんな方々が集う店のムードが妙に心地いいのです。
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↑屋台時代の蓬来軒
しかし、あまりにも土地に馴染んださりげない店のせいか、老舗なのだからもっと注目を集めてもよさそうなのに今まで大々的にスポットを浴びることもなく(私がかつてやった動画サイトくらいでしょうか…)、だけどそれでも、今日も昨日と変わらずさりげないラーメンを作っている、そんな店です。
昭和30年代の終わり頃、同業者(血縁者でも弟子でもない、他人)が店を起こす際にラーメン作りのノウハウを教えてあげた、なんて話も、かつてこの店を取材した際に聞きました。実は、今はなくなってしまった燕の某店でも似たような話を聞いたことがあります。ライバルに塩をプレゼントするような、現代では信じられない話ですが、昔はそうして助け合いながら生活していたんですね。夕飯でしょうゆが足りなくなったので、お隣からちょっと借りる。そんな事が、私の子ども時代はごく普通の光景でした。
何かと世知辛い世の中ではありますが、こんな時代だからこそ。お互いを思いやる心が地域の発展を促すのではないか。ラーメンからやや脱線しましたが、昔話を思い出していたら改めてそんな風に思った、今日の早見でした。

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