こんにちは。編集部の松田です。
9月9日、取材を兼ねて、初めて片貝の花火を観賞しました。
ギネスブック認定の四尺玉で有名な片貝の花火ですが、前々から「ふつうの花火とはちょっと違うよ」という話を聞いていました。これまで「ちょっと違う」の意味がよく分からなかったのですが、実際に現地で観賞して、その意味が初めてわかりました。
↑四尺玉(イミテーション)はだいたいこれくらいの大きさ。
もっとも大きな違いは、片貝の花火が地元の浅原神社への奉納花火として打ち上げられることです。一般の花火大会はほとんどが企業の協賛によって打ち上げられます。しかし、片貝花火はほとんどが町民の奉納によって打ち上げられます。結婚や出産、成人、還暦、供養など奉納の理由はさまざま。打ち上げられる前には、メッセージが読み上げられます。まさに「花火大会」ではなく「奉納花火」。これが「ちょっと違う」ところだったんですね。
↑飲酒運転撲滅の願いが込められた花火。
さまざまな奉納花火が打ち上げられる中で、とても印象に残る花火がありました。
栃木県在住のあるご夫妻が奉納したスターマインです。ご夫妻は、6年前に交通事故で娘さんを亡くされました。交通事故の原因は加害者の飲酒運転によるものでした。もし事故がなければ、娘さんは片貝まつりに行く予定だったそうです。そのことを知ったご夫妻は、娘さんの供養と飲酒運転撲滅の思いを込めて、花火を奉納するようになりました。花火の前にはご夫妻のメッセージが読み上げれました。
「飲酒運転の犠牲になってしまった娘・由佳へ。由佳の声はずーっと伝え続けていくからね。夜空の『夢の花』を見てください』
(プログラムより転載)
花火のあとには、会場中が温かい拍手に包まれ、ご夫妻の思いが私を含めて、多くの見物客に伝わったのではないかと思います。このほかにも、さまざまなメッセージが付けられた花火が打ち上げられました。花火のプログラム(800円)には、メッセージがすべて書き込まれているので、購入すればより楽しめるはずです。
三尺玉、四尺玉、飲酒撲滅の願いが込められたスターマインなど、片貝花火のダイジェスト動画を、「新潟オール花火ガイド」に掲載しました。よろしければご覧ください。
ほかとは「ちょっと違う」片貝の花火。
来年もぜひ行きたいと思います。
●お知らせ
弊社で撮影した「飲酒運転撲滅の願いが込めれたスターマイン」の映像が、テレビ朝日「スーパーモーニング」内で放送されました。近ごろの飲酒運転問題の特集の中で、上記のご夫妻のことを紹介し、そのときに花火の映像が使われたようです。ディレクターの方から映像使用の申し出あったので、快く承諾しました。OAの映像はありませんが、スターマインの映像だけは、「新潟オール花火ガイド」にご覧いただけます。