肉が硬くならないようにと、煮汁の中に肉を1枚ずつくぐらせて火を通していく。 程よく美しいサシが入った村上牛の内モモ肉を100グラム超使用。ほかの部位に比べると赤身が多く、柔らかい食感が特徴だ。

コシヒカリの乾草を存分に与えて育てられたブランド牛「村上牛」は、色鮮やかで風味がいい。新潟市の有名料亭や京都で和食を修業した料理人･渡辺さんが腕を振るう「松屋」では、村上牛A5、A4ランクのモモ肉100グラム超を惜しげもなく使った丼を味わえる。コンブやカツオなどで取っただしとしょうゆを合わせ、まず地元産シイタケやタマネギを煮て、一度取り出す。そして、それらのうま味が染み出た煮汁に、肉を一枚ずつ丁寧に入れ、火を通していく。さらに、村上牛の脂が染み出た煮汁を煮詰め、仕上げにサッと肉をくぐらせる。じっくり手間をかけて濃厚なうま味をまとった村上牛は味わい深く、岩船産コシヒカリのゴハンとよく合う。付け合わせの、自慢の「京風だし巻き卵」も美味。