新潟絶品餃子図録 其の二

肉、野菜、炭水化物を使ったヘルシーな完全食をとして注目を浴びている餃子。皮の食感、あんの味わい、焼く、茹でる、揚げる、蒸す…。こだわりや調理方法は店によって千差万別。其の二では、新潟市西東区、新発田市、阿賀野市などから目指して食べたい絶品を厳選してご紹介します!

和龍

和龍

師匠の教えを守りつつ、滑らかに大きく進化

来年で創業40周年を迎える「和龍」の店主・山崎和良さんの修業先は同じく新発田市の有名中華料理店。名物の餃子もそこで学んだもの。


和龍
「オヤジは職人気質で仕事に厳しい人。だからオヤジに恥ずかしい思いさせないよう、いい仕事をするだけ」。カラシで食べるスタイルは同じだが、サイズを少し大きくし、あんも滑らかに仕上げている。「ウチのあんはキャベツが主役。季節で食感が変わるから、お客さんがいつ食べても同じ味になるように、できるだけ野菜も肉も細かくしてるんだ」。お客を思い、修業先の味を改良したあんは、「こしあん」を思わせるようなしっとりした舌触り。毎朝粉を練って作る風味豊かな洋ガラシとも抜群に合う。


和龍
酢を利かせたタレに付けてもおいしいが、中華料理店らしい淡麗系ラーメンのスープと一緒に餃子を口に含んでみてほしい。滑らかなあんが口の中でほどけ、上品なうま味が野菜の甘みを一層引き立ててくれる。

  • 店名:中国料理 和龍(カズリュウ)
  • 住所:新潟県新発田市本町1-6-13
  • 営業時間:11時〜19時30分LO
  • 定休日:月曜(祝日の場合は翌日)
  • 席数:40席
  • 駐車場:10台

張園 青山店

張園青山店

本場ハルビンの味に領事館もラブコール

「昔から中国では、大切な日に餃子を食べる文化があるんです。日本との一番の違いは、主食として食べることかな」と話すのは、中国・ハルビン市出身の店主・中原宗良さん。新潟で故郷の味を作り続けて約30年だという。特に水餃子は、新潟の中国領事館で行われる国慶節(中国の建国記念日)の宴席で指名を受けるなど、味にうるさい中国人も太鼓判を押す。


張園青山店
「皮は絶対に手作りじゃないとダメ。水餃子は皮が命だからね」。熟練の技で毎朝手ごねする皮に、たっぷりのあんを包んでしっかりと密閉。本場中国と同様、ニンニクを使わず豚ひき肉とセロリだけで作るあんは、水分が多く非常に柔らかいのが特徴だ。滑るように喉を通る流麗な皮の口当たりと、セロリの爽やかな風味が相まって何個でも食べられそうだ。実際、これをメインに食事していく人も多く、何皿もお代わりしていく人も珍しくない。


張園青山店
水餃子を沸騰した湯に投入し、短時間で一気にゆで上げる。皮のおいしさや食感を最大限に味わってもらうためにも、湯から上げるタイミングが重要だという。中国の調度品が並べられた店内は広く、ゆったりとくつろいで食事を楽しめる心地いい雰囲気。店主の中原さんは四川、広東、北京などあらゆる中国料理に精通しているため、多彩なメニューを味わうことができる。一口サイズの点心も好評。

月園

月園

滑らかあんの優しい口当たり

「何でもない手作り餃子だよ」と、中華一筋46年というご主人が朗らかに笑う。キャベツやニラ、豚ひき肉を細かく刻んだあんは驚くほど口当たり滑らかで、弾力のある皮を破るとすぐに力強いうま味が口に押し寄せてくる。名物の「五目ソバ」のサイドメニューとして、ビールのお供に、お持ち帰りに、と人気は絶大。


月園
餃子を包むのは奥さんの役割。迷いなくあんをすくい、ものの数秒できれいなヒダ付きに仕上げる。

  • 店名:中国料理 月園(ゲツエン)
  • 住所:新潟県新潟市東区物見山3-1-17
  • 営業時間:11時〜15時、17時〜21時30分(20時50分LO)
  • 定休日:火曜、第1・3水曜
  • 席数:57席
  • 駐車場:19台

本田屋

本田屋

手間を惜しまぬ包みたての味

JR新発田駅前に根を張り90年以上。地元から愛される老舗食堂の多彩な品書きの中でも、とりわけファンが多いのがこちら。具材も味付けも極めてシンプルだが、「作り置きすると味が落ちる」と、手間を惜しまず毎日朝と夕方の2回に分けて包む。酢を利かせた特製ダレと薬味のカラシの風味で、豚肉の力強いうま味がグッと際立つ。


本田屋
年季の入った木箱へ次々に並べられていく。あまりの人気ぶりから、1日2回、時には3回仕込むことも。

  • 店名: 本田屋(ホンダヤ)
  • 住所:新潟県新発田市本町1-1-3
  • 営業時間:11時〜14時、17時30分〜21時※20時LO
  • 定休日:水・木曜
  • 席数:60席
  • 駐車場:10台

桃園楼

桃園楼

野菜の甘みが力強く主張する

週末には行列を作る津川の人気中華料理店。あうんの呼吸で店を切り盛りするご主人とおかみが「ウチの名物は餃子!」と、口をそろえる。大量のキャベツやニラ、タマネギから溶け出した豊かな野菜の甘みと豚肉のうま味が互いを支え合う。それらをしっかり楽しむために、まずはタレを付けずにそのままいただこう。


桃園楼
半分浸かるほどのたっぷりの水で蒸し焼きにした後、水を捨ててカリッと強火で焼き上げる。

  • 店名: 桃園楼(トウエンロウ)
  • 住所:新潟県東蒲原郡阿賀町津川3469
  • 営業時間:11時〜14時、17時〜20時※日曜・祝日は11時〜20時
  • 定休日:月曜
  • 席数:14席
  • 駐車場:5台

天龍軒

天龍軒

新発田人はカラシで食べる!

新発田で「餃子といえば天龍軒」と言われ、今や街のソウルフードに。キャベツは減農薬のもの、肉は塊で仕入れ、ミンチにして背脂と合わせるなど、香ばしい皮の中にこだわりが詰まっている。長さ10センチのジャンボサイズで、食べ切れない人もいるというから驚きだ。肉の味を引き立てるカラシを付けていただくのが天龍軒スタイル。


天龍軒
厚みのある鉄鍋で均一に火を入れる。お湯を加え、強火で一気に蒸し焼きにして仕上げる。

香楼苑

香楼苑

合計300グラム越えの重量級

「はじめは5つだったんだけど、お客さんに食べ切れないよと言われて3つにしたんだよね」。そう言ってご主人が笑う「ジャンボ餃子」はなんと1個100グラム超! 皮を練る際に、グラグラ沸騰した熱湯を使うことで、モチモチした食感になるという。ひき肉としろびき肉(背脂)を同量使うあんは、驚くほどジューシー。肉汁でのやけどに注意。


香楼苑
皮のモチモチ感を一層楽しめる「水餃子」(560円)も人気。あっさり塩味のスープがクセになる。

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